NeoMESeminar ネオMEセミナー
ネオMEセミナー(2021年7月23日14時00分〜)
NeoMESeminar
日時:
2021年7月23日14時00分〜
(オンライン・日本語)
参加登録(必須):
講演者:
三浦 郁修
オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM) 疾病管理センター/愛媛大学 沿岸環境科学研究センター(CMES)
演題:
下水中ウイルス情報と数理モデルによる隠れた感染動態の把握
要旨:
新型コロナウイルス感染症の世界的な流行に伴い、下水中に含まれるウイルス情報を活用したサーベイランス(下水疫学)に注目が集まっている。下水疫学では、対象のウイルスを含む生体試料が原理的に下水中に流入することを利用して、対象地域内での経時的な感染増減の推定やシークエンスデータからどのような株が存在しているかを同定することができる。SARS-CoV-2に感染したヒトについても、その症状の有無に関わらず糞便中にウイルスを長期間排出することが明らかになっている。下水疫学では、確定診断者数に依存する従来の感染症サーベイランスとは異なり、不顕性感染者や報告されない感染者も含めた感染動態の把握ができる可能性がある。
本発表では、こうした下水疫学を国規模で統一されたモニタリングシステムとして実装しているオランダの研究事例を紹介する。前半では、データ取得のプロセス、すなわち感染したヒトからのウイルス排出および下水中で観測されるまでの機構について解説する。後半では、得られたウイルス情報を用いた階層ベイズモデルによるアプローチについての研究紹介を行う。
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