NeoMESeminar
ネオMEセミナー

ネオMEセミナー(2021年6月24日13時30分〜)

NeoMESeminar

日時:

2021年6月24日13時30分〜
(オンライン・日本語)

参加方法:

担当者にメール(以下のネオMEセミナーの箇所を参照)
https://iblab.bio.nagoya-u.ac.jp/about/activities

講演者:

北川 耕咲
名古屋大学大学院理学研究科生命理学専攻異分野融合生物学研究室(iBLab)

演題:

タイマー蛍光たんぱく質搭載ウイルスの数理モデル

要旨:

 “宿主を利用して自己を複製する構造体”であることをウイルスの本質とするならば、宿主細胞内のウイルスのライフサイクルの追跡は最も基本的かつ重要な研究対象である。宿主細胞における複雑なウイルスの活動を直接観察することは非常に困難であるが、現象を抽象化して見ることでその本質をとらえる数理モデルを用いた手法が威力を発揮する。近年では、感染細胞の集団に感染後経過時間(感染年齢)の分布を考慮することで年齢の不均一な細胞集団を扱うことのできる年齢構造化モデルが強力なツールとなっている。しかしながら、数理モデル上で感染年齢を考慮することは容易である一方で、実験から感染年齢を計測する手法は確立されていない。このような実験デザインにおける課題をクリアすることが期待されているのが、近年登場したタイマー蛍光たんぱく質である。タイマー蛍光たんぱく質はmRNAより翻訳されると蛍光を呈し、時間経過によってその色を青色から赤色へ(そして無色へ)と変化させる。このたんぱく質を搭載したウイルスを用いた感染実験とFACS解析を駆使して得られる細胞集団の青色-赤色蛍光強度のデータは、感染細胞の年齢の情報を含んでいるだろう。このようなデータに対応する数理モデルを構築すれば、細胞の色を通じて感染細胞の活動を推し測ることができる。ここではタイマー蛍光たんぱく質を搭載したHIV-1の潜伏感染現象に対して構築した数理モデルを用いて定量的な解析を行った。

**********************


ネオMEセミナーについてはこちらからご覧ください。
https://iblab.bio.nagoya-u.ac.jp/about/activities